カウンセリンググループ

ボツリヌス注射

手足の痙縮、ボツリヌス注射について

​1.痙縮とは

自分の意思とは関係なく筋肉の緊張が高まり、手や足が勝手につっぱったり曲がってしまったりしてしまう症状のことです。脳卒中の後遺症などでよく知られております。痙縮では、手指が握ったままとなり開きにくい、ひじが曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられます。日常動作の中では、更衣の困難さ、衛生状態の悪化、歩行の阻害、介護の妨げ、などを引き起こしてしまいます。

2.ボツリヌス療法とは

ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を筋肉内に注射し、筋肉の緊張を和らげる治療法です。ボツリヌス菌そのものを注射するのではなく、ボツリヌス菌に感染することはありません。この治療法は日本だけでなく、世界 80 か国以上で認められており、医療保険の対象にもなります。

ボツリヌス療法は「脳卒中治療ガイドライン」においてグレードA として推奨されており、痙縮の軽減や関節可動域増大、日常生活上の介助量軽減に有効である、とされています。 
現在、国内で使用可能なボツリヌス注射は「ゼオマイン」と「ボトックス」があります。

「ゼオマイン」は2020 年より国内でも使用可能になった新しい薬剤です。より精製された薬剤であり、薬価も約半額です。
「ボトックス」は何よりも歴史が長く、症例数も多いことからエビデンスの蓄積がある薬剤です。
当院では、両薬剤とも使用可能であり、一人ひとりに合わせて薬剤を選択しています。

当脳卒中(脳梗塞、脳出血)後の痙縮がある方、脳性麻痺や神経疾患のため痙縮がある方が対象です。

筋肉の痙縮程度を表すMAS(Modified Ashworth Scale) 1-3 の方が適応になります。

 

・見た目が気になる
・着替えがしにくい、介護の妨げになる
・突っ張ってしまって痛みがある
・指が広げにくい(指が広げられなくて手のひらが不潔になってしまう)
・足関節が伸びてしまう、内側に入ってしまう(内反尖足)
・内股のようになってしまう(ハサミ足)

3.期待できる効果

個人差はありますが、投与数日~2 週間程度で効果が現れ、約3~4 か月間持続します。
時間が経つにつれ、効果は減弱していきますが、約3~4 か月おきに再投与し、効果を継続させることが治療の基本となります。 


〇筋肉の緊張がとれ、日常動作の制限が軽減される。 
〇リハビリテーションやストレッチをしやすくなる。 
〇痛みが和らぐ。 
〇関節が固まって変形するのを防ぐ。                                                                 
〇介護負担の軽減。

4.ボツリヌス療法の進め方について

接種する部位、投与単位数を慎重に検討する必要があります。
部位によっては電気刺激装置や超音波検査装置(エコー)を用いて接種する筋肉を見ながら投与を行います。

5.費用について

ボツリヌス療法は、薬剤が非常に高価であり医療費が高額になります。
ただ、身体障害者手帳(1-2 級)をお持ちの方は医療費減免制度があり、自己負担額の上限が設けられています。
1 割負担の患者様は以下の負担額程度です。
ゼオマイン15,000 円
ボトックス28,000 円

6.最後に

ボツリヌス療法は、注射を接種するだけではなく、接種後のリハビリ(ストレッチ運動)が非常に大切です。
ご自身での自主的なリハビリや、リハビリスタッフやご家族の協力による運動も大切です。
ボツリヌス療法は完全予約制ですので、ご興味のある方はご連絡ください。

八軒内科ファミリークリニック
011-500-2498