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百日咳(百日咳菌感染症)
百日咳(百日咳菌感染症)
百日咳菌(Bordetella pertussis)によって引き起こされる急性呼吸器感染症です。乳幼児に重症化しやすく、成人でも長引く咳として発症することがあります。ワクチン接種が広く行われているものの、免疫が年齢とともに低下するため再感染もあります。
感染経路
飛沫・唾液感染
潜伏期間
7〜10日程度
感染性のある期間
カタル期(初期)の約2週間は強い感染力を持ちます。抗菌薬投与後は約5日間で感染性が消失します。
登園の目安
「学校保健安全法 第二種感染症」に該当。適切な抗菌薬治療開始後5日を経過するまでは登校不可です。
主な症状
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数日間の風邪症状(くしゃみ・鼻水・軽い咳)
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その後、特徴的な連続的な咳(スタッカート状の咳発作)が出現
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咳の後に息を吸い込む際「ヒュー」という笛声(吸気性笛声音)が聞かれる
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咳による嘔吐、睡眠障害
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乳児では無呼吸発作やチアノーゼに注意
診断方法
咽頭ぬぐい液のPCR検査:当院では積極的にPCR検査を行っています。
治療方法
マクロライド系抗菌薬(アジスロマイシン、クラリスロマイシンなど)を早期に投与。
発症から2―3週間を過ぎると抗菌薬の効果は限定的で、咳は自然軽快を待ちます。
重症例や乳児例では入院加療が必要となることがあります。
合併症と予防
肺炎・無呼吸発作・けいれんなどが乳児に多く、注意が必要です。
ワクチン(DPT)接種により予防が可能。成人ではTdapワクチンが推奨されます。
家族内や施設内での集団感染に注意が必要です。
当院では、百日咳の診断に必要なPCR検査、治療薬の処方、乳児の観察体制を整えております。気になる咳が続く方は、早めにご相談ください。
感染症別 感染性・登校登園基準一覧 2025.6.1
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