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生活習慣病

高血圧

日本人は、諸外国と比較しても高血圧患者が多いと言われています。40-70歳の方は5割、75歳以上では7割の方が高血圧に該当します。また、若い方でも男性は30歳代でも2割、女性は50歳代から急激に増加し、60歳代で5割を超えています。高血圧患者の3割は未治療であり、7割の方は血圧コントロールが不良と言われています。

高血圧患者の95%は、「本態性高血圧」という、(加齢などの影響で)特に原因がハッキリせず血圧が高い状態の方です。5%の方は「二次性高血圧」という、原因があるため(原発性アルドステロン症、腎動脈狭窄症etc)血圧が高い状態の方です。年齢、全身状態、経過から「二次性高血圧症」を疑う場合には、採血やエコー検査をお勧めしています。

高血圧の問題点

高血圧は、血管に強い圧力がかかり続けている状態です。その結果、血管に刺激が多く血管に対する障害が進行します(動脈硬化の増悪)。また、血液を高圧で駆出するため、心臓にも負担がかかります(心不全、心臓弁膜症)。その他、腎臓の血管や糸球体も破壊され、腎臓にも負担がかかります(腎不全)。

血圧の目標値

一人一人の年齢、全身状態、持病によって目標血圧は変わります。また、「自宅で測定する血圧」が大切です。

目標値は以下に記載します

75歳未満の方は125/75mmHg未満

75歳以上の方は135/85mmHg未満

糖尿病、腎不全、脳血管障害、冠動脈疾患のある方は125/75mmHg未満

高血圧の治療方法

「減塩」「運動」「減量、生活習慣の改善」が大切です。「減塩」では5mmHg、「運動」では5-10mmHg、「減量、生活習慣の改善」では10mmHg程度の血圧低下が見込めると言われています。内服治療は、「心不全の有無」で内容が変わるため、心臓機能の評価目的にや胸部レントゲン、心臓エコー、心電図検査を行います。基本的には、ACE阻害薬と言われる心・腎保護作用のある薬剤を使用します。また、βブロッカー、Caブロッカー、利尿剤をガイドラインに従いながら適宜使用し、指摘領域で血圧維持できるように薬剤の調整を行います。

高血圧についてまとめ

高血圧症をお持ちの方は、その他の生活習慣病も合併していることが多々あります。高脂血症(脂質異常症)、糖尿病、高尿酸血症の検査も定期的にすることをお勧めします。

糖尿病

膵臓から分泌される「インスリンホルモン」が不足、十分に働かないため、血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気が糖尿病です。「インスリンホルモン」はブドウ糖(血糖)を細胞内の栄養素として取り込み、血糖値を下げる効果があります。糖尿病は、血液中の糖が高い状況が続き、血管が痛んでいく事によって、全身を少しずつ蝕んでいきます。

1型糖尿病

インスリンを分泌する膵臓に対する自己抗体(GAD抗体etc.)ができてしまい、インスリンを分泌する細胞が障害された結果、絶対的にインスリンが足りなくなり、身体の代謝がうまくいかなくなる病態です。年齢に関係なく、風邪などを契機に発症します。新規発症糖尿病の5%が1型糖尿病と言われています。

2型糖尿病

膵臓はインスリンを産生しているが、「インスリンが効きにくい(インスリン抵抗性)」、もしくは、「インスリンの量が十分ではない(分泌不全)」 ため、血糖値が上がってしまう病態です。40歳代以降の方に多く、糖尿病患者の95%は2型糖尿病と言われています。

糖尿病の問題点

感染症などを契機に血糖値が異常に上昇し、意識混濁を起こす糖尿病緊急症と言われる状態になるとICU管理が必要な重篤な状況になってしまいます。「高血糖高浸透圧症候群」「糖尿病性ケトアシドーシス」が代表疾患であり、命の危機もあり、後遺症を残す可能性もあります。長期的には、糖尿病三大合併症と言われる「腎障害」「網膜症」「末梢神経障害」をいかにコントロールするかが大切です。

腎障害

腎臓は血管の塊のような臓器で、血液中の老廃物をこし出す働きをしています。なので、微小血管に障害をもたらす糖尿病では真っ先にやられてしまう臓器なのです。具体的には、腎臓で尿をこし出す役割をしている「糸球体」に障害が起き、効率的に老廃物を腰出すことができなくなります(腎不全)。また、こし出す網がもろくなり、本来はこし出してはいけない物質(アルブミン)まで排泄してしまいます。その結果、大量のアルブミンが失われるとむくみや倦怠感が出現してきます。早い段階から微量に排出されているアルブミンを検出し、微量アルブミン尿を低く抑えていくことが大切です。微量アルブミン尿を低く抑えるためには、血糖コントロールと共に、厳格な血圧管理が大切です。

網膜症

眼の奥にある、視細胞があるところが網膜です。こちらも微小血管が多く、糖尿病で蝕まれていく臓器の一つです。網膜症は、症状を自覚したときには既にかなり進行していることが多く、早期発見が大切です。単純網膜症、前増殖網膜症、増殖網膜症と3つの段階があり、前増殖網膜症の段階になるとレーザーでの光凝固術が必要になります。ただ、光凝固術は網膜症の更なる悪化を抑制するためのものであり、早期発見、早期治療で悪化させない管理が大切になります。

糖尿病性神経障害

足の末端ほど血液が行き渡りにくく、虚血になった結果として神経障害も起こります。「ビリビリ」「ジンジン」とした痛みや、「感覚が無くなること」があります。また、そもそも血流が悪い影響もあり、感染症にも弱くなり、感染症も治りづらくなります。糖尿病性足壊疽は代表疾患であり、QOLだけではなく、生命予後にも大きく関わってきます。血糖コントロールを良くすること、フットケア(足浴、爪の管理)がとても大切です。

糖尿病の治療方法

1型糖尿病の方は、基本的にはインスリン治療です。2型糖尿病の方は、まずは内服治療から開始し、必要に応じインスリンを使用します。

 

インスリンには以下の種類があり、一人一人に合わせて使用していきます。

時効型:インスリングラルギンBS、トレシーバ

超速効型:ノボラピッド、ヒューマログ

混合製剤:ライゾデグ

 

内服製剤は

・メトホルミン:長寿役でもあり基本薬。消化器症状の副作用がある

・SGLT2阻害薬:2021年の米国糖尿病学会ガイドラインにおいて推奨度が高く示された薬剤です。尿から糖を捨てることによって血糖値を下げる効果があります。また、心臓・腎臓保護作用もあり、体重減少効果も認められています。また、心不全入院や脳卒中リスクも下げるというデータがあります。

・GLP-1受容体作動薬:DPP-4阻害薬と似て、血糖値が高くなったときにだけ作用するようなお薬です。食欲減退することから体重減少効果も認められています。今まで注射薬しかなかったのですが、2021年に内服薬が使用可能になりました。

・DPP-4阻害薬:インクレチンという物質によりインスリン分泌がされるため、インクレチンを分解するDPP-4を阻害するお薬です。使いやすいお薬ですが、最新のガイドラインでは、優先度が下がってきています。

糖尿病についてまとめ

糖尿病の理想的な長期管理を行うためには、血糖管理だけではなく、血圧(<130/80)、脂質(LDL<120)、禁煙、三大合併症の早期治療、ワクチン(インフルエンザ、肺炎球菌、B型肝炎、新型コロナ)と注意しなければいけないことが多くあります。当院だけではなく、眼科通院や場合によっては腎臓内科などの通院が必要になることもあります。大変なことも多いとは思いますが、健康寿命を伸ばすために最新の科学的根拠に基づいて治療を行なっていきましょう。